猛毒日記

ギタリスト、大高ジャッキーのブログ

流れ者の物語

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ジョージ・ハリスン電子音楽の世界」

前回買ったのが20年以上前。もちろんCDでだけど。タンスほどの大きさのムーグを買って飛行機をチャーターしてイギリスに持ち込み遊び感覚で作った作品。

一言で表すとカオス。エコーマシンなんかも駆使して多重録音している。

自分としては2曲目の(B面の)「No Time Or Space」がお気に入り。かなりエグい音が炸裂している。69年に目指した宇宙の音ってこんな感じだったのか。

この作品は本人曰く「駄作」だそうだ。また、晩年はドラムン・ベースを作っていたという。

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ガボール・ザボ「ドリームス」

ハンガリー移民でジプシーの血を引くギタリスト。

ブガルー・ジョージョーンズやバーナード・パーディーらと同じく後にレア・グルーヴとして再評価をされるジャズ・ギタリスト。

運良く国内版で買えた。アナログも再発されている。

アレンジが練りに練られているところとかはプロデューサーのゲイリー・マクファーランドの成せる技か。

マイルス・デイヴィスの「アガルタ・パンゲアの真実」という本で知ったのだが、当時インドのラーガをいち早く取り入れたりするガボールのサウンドはマイルスやサンタナに大きく影響を与えた。

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このアルバムはハードオフで買った。あるもんだね。「Macho」という。日本タイトルは「ハンガリアン・ラプソティー」。

これは帯はないが国内盤。解説も入っている。

かなりファンキー。チョッパー・ベースとシンセサイザーが印象的。ホーン・セクションやストリングスも効果的に使われていて、素晴らしいと思う。

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Rev.Gary DavisBlues Guitar

これは3枚目じゃなくて本なんだけど。洋書。

17歳の頃、ブルース・ギターに出会って、自分もそのスタイルを弾き始めるんだけど、当時彼女だった今の奥さんが神保町に働いていて、帰りにダブルデッカー(今あるかな?)の輸入品コーナーで見つけて買って来てくれたもの。

しかし、2000年にオークションで手放してしまうのだった。他にはニューヨークで買って来たゲイリーやジャコパスのカセット教則本なんかも処分してしまった。自分が嫌になっていたんだろうな。

つい最近思い立ってamazonの中古本で購入。アメリカからの発送で船便なので1ヶ月待たされた。

この本には思い出が詰まっている。ブルースやラグタイムはここから出発したんだもんな。

奥さんとはよくレコードを買いに行った。彼女との思い出も詰まってる。他にはこんな思い入れの品も。

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At Allegheny College, Meadville, PA, 1964

このアルバムは擦り切れるほど聴いた。「Cincinnati Slow Drag」や「Maple Leaf Rag」は完コピした。あと「Candy Man」も。ハーモニカ・ソロやバンジョー・ソロもある。

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運良くCDでも入手出来た。でも、アナログ盤をPro Toolsに録り込んでWAVEファイルで持ってるけどね。

もう1枚アナログで持ってるゲイリーは:

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このアルバムはCD化されていないと思う。

タイトルがズバリ「Blind Gary Davis」でドキュメント・レコードからのリリース。

ドキュメントはオーストリアにある再発掘のレーベル。

まだ渋谷にあった芽瑠璃堂にドキュメントのレコードは沢山あったんだ。全部買い占めておくべきだった。

 

さて、本題のライ・クーダー「流れ者物語(Boomer's Story)」に入ろう。

このアルバムは「ライ・クーダー・ファースト」「紫の渓谷」に続く初期3部作の最終章で、アメリカ南部への旅。少年時代を過ごしたウェスト・コーストではボトルネックを弾くギタリストは南部に行かねばいなかった。前作に続くジム・ディックンスンのプロデュース。メンフィスで録音しており、スリーピー・ジョン・エステスとのコラボもある。

 

1曲目「Boomer's Story」前作2枚よりずっとシンプルになっている。エレクトリック・ギターの音作りは毎度ながらこだわりを感じる。San's Ampだろうか。ピアノ、ベースとドラムスにライの弾くマンドリン。サビを一緒にハモリで歌う人だ誰か?

 

2曲目「Cherry Ball Blues」アコギ&エレキのスライドによるインスト。戦前ブルースマンのカバーらしいが詳しいことは分からない。ライの場合はソング・ライティングというよりカバーをモダンにしてなんぼの世界なので、この手の曲はツボにハマると思う。

 

3曲目「Crow Black Chicken」バンドのアレンジが光る。派手なストリングスや効果的なホーン・セクションは今のところない。キメがずっと続いてその中で歌ったりギター・ソロを弾いたりしている。

 

4曲目「A Sweet Mamaエステスの相棒ヤンク・レイチェルになりきってマンドリンを弾いている。コルネットが出てきた。この後テックス・メックスに行くのも自然な流れなのかも。ギターは現れない。マンドリンとバンド・サウンド。歌い切っている。

 

5曲目「Maria Elena」アコギでこんなバラードをやられちゃうと痺れるね。アコギは2本鳴っていると思う。悲しげなストリングスが出てきた。超効果的。ノン・アル・ビール飲みたくなっちゃうね。

 

6曲目「Dark End of the Street」エレキ・スライド・ギターで聴かせるバラッド。アコギのスライドも入ってくるわ。エレキの音は乾いているというよりむしろウェットな感覚を覚える。途中、エレキのスライド・ソロに変わる時にアコギの12弦の開放弦を聴かせるところが効果的。

 

7曲目「Rally Round the Flag」ピアノで聴かせるライの歌。アコギのスライド・ソロが切ない。なんてドラマチックなんだ!静の世界。

 

8曲目「Come In On a Wing and a Prayer」こういう曲なんていうジャンルなんだ?R&Bとは違うし、ライ独特のジャンルのような気がする。バンドっていいなあ。

 

9曲目「President Kennedyマンドリン。実はライのアルバムって全部に共通点があると思う。暗くはないブルースって感じ。2030年代のフォーク・ソングか。ピックを嫌っているライがこんなにもマンドリンのトリルをドライブさせるとは。ここで歌っているのはスリーピー・ジョン・エステス。

 

10曲目「Good Morning Mr. Railroad Man」ブルース・ハープのバリトンが何層にもなって絡み合っている。こういう効果が上手いよな。控えめなんだけど。アコギのピックでの演奏も初めて聴くかも知れない。独特のトレモロ。ピアノを基本に演奏している。